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「米兵のトモダチは高線量で被ばくしていた」フクシマ第一原発事故プロジェクト第2弾

午後4時のデータの説明欄には、「USS RR Deck – reading taken at 1m.」と書かれている。これは、艦上のデッキから1メートルの高さで測定されたと考えられる。午後4時45分も同じだ。しかし、午後6時のデータには、「USS RR – deck, closed window」と書かれている。これは、窓を閉めて室内で測定したことを示すと考えられる。断定はできないが、艦上での測定は危険だとして、艦内の閉め切った中での測定に切り替えたと考えるのが自然だろう。

言うまでも無く「ロナルド・レーガン」は原子力空母であり、艦内には放射線の専門家もいる。当然、この高い放射線量が乗組員の健康を害する危険性を有していることも承知していた筈だ。

【参考記事 原発避難者・関西訴訟で原告の弁論続く 】

データには計測された緯度経度も記されている。それを地図上に落としたのが以下の図だ。

空母「ロナルド・レーガン」の進路と放射線量(アメリカ政府のデータを基にニュースのタネが作成・日付は全て2011年3月12日)
空母「ロナルド・レーガン」の進路と放射線量(アメリカ政府のデータを基にニュースのタネが作成・日付は全て2011年3月12日)

空母が高い線量から逃げるように日本から離れ、更に北に移動していることがわかる。ところが、データが示すのは、空母は被ばくを避けることはできず、高い線量を浴びつづけていたという事実だ。

【参考記事 福島第一原発事故で新事実 事故直後の首都圏で高レベルの放射線量が計測されていた 1F首都圏プロジェクト 】

この数値はアメリカ政府のウエブサイトで現在も確認することができるが、データから空母「ロナルド・レーガン」の名称は削除されている。私たちは数値が同じであることから、アメリカ政府が何かしらの理由で艦名を外したものと考えている。

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