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「米兵のトモダチは高線量で被ばくしていた」フクシマ第一原発事故プロジェクト第2弾

この「ロナルド・レーガン」の乗組員をめぐっては、その後、癌を発症するなど体調を崩すケースが多発し、現在、東京電力などを相手取った集団訴訟に発展している。朝日新聞の田井中雅人記者とフリージャーナリストのエィミ・ツジモト氏の共著による「漂流するトモダチ」(朝日新聞出版)によると、裁判は2012年に始まり原告は400人以上になっており、そのうち9人が既に死亡しているという。また、裁判で、東京電力は、乗組員の健康被害と原発事故との間に因果関係は無いと主張している。

東京電力本社(東京都千代田区)
東京電力本社(東京都千代田区)

しかしデータを見ると、かなり高い線量の中で乗組員が作業をしていたことがうかがえる。

「トモダチ作戦」を日米安保条約の象徴として描くことに熱心だったメディアは多い。日米安保体制の役割を強調するメディアもあった。しかし、参加したアメリカ軍兵士の多くが健康被害を受けていることはあまり報じられていない。

【参考記事 大阪で原発燃料が作られてるって知ってました?◇手作業の燃料棒組立に驚く  「暇です。再稼働してほしい」と案内の社員 】

宮城県女川町で地上に書かれたメッセージ「THANK YOU USA」(U.S.Navi Photo)
宮城県女川町で地上に書かれたメッセージ「THANK YOU USA」(U.S.Navi Photo)

因みに、空母「ロナルド・レーガン」は航空部隊の人員も含めると約6000人が乗り込んでいる。また、外務省の資料によると、「トモダチ作戦」では、アメリカ軍約24500名、艦船24隻、航空機189機が参加し、被災地に食料品など約280トン、水770万リットル、燃料約4.5リットルの配布を行っている。

【参考記事 福島第一原発事故で新事実 事故直後の首都圏で高レベルの放射線量が計測されていた 1F首都圏プロジェクト 】

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