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[FactCheck] 「ベストマザー賞の蓮舫 授与団体の特別顧問」はミスリード 受賞は2010年、その後に顧問就任

[FactCheck] 「ベストマザー賞の蓮舫 授与団体の特別顧問」はミスリード 受賞は2010年、その後に顧問就任

ジャーナリストの石井孝明氏が、立憲民主党の参議院議員・蓮舫氏について、「蓮舫がベストマザー賞って笑えたのだが、ググると、この団体の特別顧問が蓮舫だそうです」と投稿。あたかも蓮舫氏が自ら役職を務める団体から賞を与えられたかのような表現だが、実際は蓮舫氏の受賞は過去の出来事で、特別顧問就任はそれよりも後だ。(大船怜)(※追記あり。末尾参照)

チェック対象
蓮舫がベストマザー賞って笑えたのだが、ググると、この団体の特別顧問が蓮舫だそうです。あまりの幼稚さに、豆腐の角に頭ぶつけて死んでほしい(古い罵り言葉ですが)と思いました。目立てばいいのか。本当にまともな、頑張ってる世の母親たちに失礼だろう
(石井孝明氏Twitter投稿、2021年5月8日投稿。強調は筆者による)
結論
【ミスリード】 蓮舫氏のベストマザー賞受賞は2010年、団体特別顧問への就任は2014年のことである。

一般社団法人日本マザーズ協会が主催する「ベストマザー賞」は、イベント会場やWeb、SNSなどで行われる一般投票により受賞者を選出。2007年に始まり、第13回(2020年は発表無し)となる今年は政治部門で政治学者の三浦瑠麗氏、スポーツ部門で元バドミントン日本代表の潮田玲子氏など、各分野から計6人が受賞している。しかし、今年の受賞者に蓮舫氏は含まれていない。

石井氏の投稿は本稿執筆現在約1500RT・3500いいねを獲得。その後石井氏は「ベストマザー賞団体の特別顧問の蓮舫さんは、常識あったら辞退するだろう。」と投稿したり、さらに「ああ、失礼、今年じゃないみたいね。蓮舫の受賞は。けどお身内でしょ。」と補足したりしていることから、(少なくとも最初の投稿の時点では)蓮舫氏のベストマザー賞受賞時の特別顧問が蓮舫氏自身だったと理解していたようだ。

蓮舫氏の受賞と顧問就任の時期は?

時系列を整理してみよう。まず、石井氏が認めているように、蓮舫氏のベストマザー賞受賞は2010年(第3回)のこと。主催する日本マザーズ協会とのその後の関わりとしては、同年の「アグリプロジェクト」への参加や、2012年の授賞式でプレゼンターを務めたことが確認できる。

特別顧問への就任は、協会ホームページのキャッシュから2014年4月と分かる。その後現在も蓮舫氏は特別顧問を続けているが、2010年のベストマザー賞受賞の時点で協会の役職にいた事実は無い。

日本マザーズ協会HPキャッシュより。「TOPIX」欄に「2014/4/3 特別顧問に蓮舫参議院議員が就任いたしました。」とある。

東スポタイトルから誤解か

石井氏と同様に、蓮舫氏の受賞時期を誤って認識した言説はネット上に多数見受けられた。まとめサイトの「オレ的ゲーム速報@刃」や「U-1 NEWS」などは、受賞を「自作自演」などとするネット上の反応を紹介している。

「U-1 NEWS」では東京スポーツWeb版の5月6日の記事が参照されていて、その記事タイトル「蓮舫氏がベストマザー賞『子供はいくつになっても心配』 蛯原友里も受賞」が誤解の原因となった可能性がある。一見蓮舫氏が今回ベストマザー賞を受賞したかのようなタイトルだが、実際は過去の受賞者として来場しコメントしたという内容だ(協会の特別顧問であることは触れられていない)。

結論

石井氏の投稿は、蓮舫氏のベストマザー賞受賞と主催団体の特別顧問就任との時系列を誤解させる恐れが大きい。石井氏本人も誤った理解をしていたことが十分に推測できるが、チェック対象の投稿そのものでは時期について直接言及していないため、「ミスリード」と判定した。

(冒頭画像:日本マザーズ協会公式サイトより)

(※5月17日追記)

本稿公開後、石井氏よりコメントが寄せられたため以下に追記いたします。

 記事発表の事後、私(石井)の抗議により、このコメントを追加します。Infact社は、私に事前に取材も通告もすることもなく、突如、この記事を掲載しました。非常に遺憾です。
私が時系列を間違えたことは事実です。しかし、私は執筆直後に、間違いに気づき、「失礼、今年ではないみたいね」と言及しています。(リンク)https://twitter.com/ishiitakaaki/status/1390944378928046081
 また、この誤解は、東京スポーツ社サイトの記事「蓮舫氏がベストマザー賞」(リンク)https://www.tokyo-sports.co.jp/entame/news/3123642/ という時系列をあやふやにした記事を誤読したことによるものです。
 多くの人が、この記事を誤読し、私と同じように蓮舫氏が今年受賞したと勘違いをしました。それをなぜ、このような記事の形で、私だけ責任があるかのように報道するのか。Infact社のニュース価値判断、その記事化という行為に疑問を持ちます。東京スポーツという法人ではなく、弱い立場にある私人の私を糾弾する行為と、不快感を持って受け止めています。
私の真意は、身内で賞を与え合う、蓮舫氏ら奇妙な政治活動家の行動を批判するものです。
 Infact社におかれては、このような小事件の記事を執筆、掲載するのではなく、もっと重要な事実のファクトチェックにエネルギーと関心を向けるべきと、考えます。世の中にはもっと大きな虚偽、誤情報がたくさんあるのですから。

なお、文中「Infact社」とありますが石井氏のコメントをそのまま掲載しています。InFactは認定NPO法人です。

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