Twitter上に「日本の国会議員に、コロナの感染者が出ないという謎」とのツイートが投稿されて拡散した。しかし、2年前の2020年9月18日に国会議員初となる新型コロナウィルス感染が報じられて以降、相次いで国会議員の感染者は確認されており、この情報は誤りだ。(川端奈緒・友長光明)
チェック対象
「日本の国会議員に、コロナの感染者が出ないという謎。。」
(Twitter、2022年1月20日投稿)
結論 誤り
【誤り】
Tweetが流れた2022年1月20日時点で、日本の国会議員計19人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されている。その後も拡大し、3月20日時点では41人に達している。
2020年9月に国会議員初の感染が確認
報道から国会議員の感染状況について確認した。それによると、2020年9月18日に高鳥修一衆院議員(自民)の新型コロナウイルス感染が報じられ、これが国会議員として初の事例のようだ。最近では、現岸田内閣の内閣府官房副長官を務める参議院議員の磯﨑仁彦氏(自民)が2022年1月28日に感染が確認されている。2022年2月28日に日本維新の会の前川清成衆議院議員の感染が報じられ、確認できる範囲でも41人の国会議員の感染が報告されている。
人口比と比較すると
2022年3月20日時点で、日本国内の感染者数は約580万人であり、日本の全人口が約1.258億人であることから、全国のコロナ感染者の人口比は約4.6%である。
一方、感染が確認された国会議員は41人、現在の国会議員の人数は710人であることから、国会議員のコロナ感染者の人口比は約5.7%である。
したがって、国会議員のコロナ感染者の比率は、全国のコロナ感染者の約1.2倍となり、全国を上回る感染率と言える。
今回、記事を書く上で衆参両院の広報課にメールと電話で国会議員の感染者の確認をした。衆院広報課からは電話で「2月10日までの間で累計24人の衆院議員の感染が確認されたという情報までしか回答ができない」という返答がされた。また、参院広報課からはメールで「申し訳ございませんが、参議院ホームページでは新型コロナウイルス感染症に罹患した参議院議員の情報を、公表しておりません。参議院議員が新型コロナウイルス感染症に罹患した場合、参議院事務局ではプレスリリースを出して、各報道関係者に情報を提供しておりますので、その情報に基づき、各報道関係者が報道しております。」という回答が返ってきた。
そこで、各報道機関の記事を参照して、感染が確認された41人の国会議員をリストアップした。その一覧表が、以下の通りだ。
感染が確認された国会議員の一覧 (3月20日時点)
結論
2020年に初めて、日本の国会議員が新型コロナウイルスに感染確認が報じれて以降、相次いで国会議員の感染が確認されている。そして、上記の表に示した通り、2022年3月20日時点で感染が報じられた国会議員は、自民党18人、立憲民主党12人、公明党2人、共産党1人、社民党2人、れいわ新選組1人、日本維新の会3人、国民民主党1人、無所属1人の計41人だった。よって、このツイートの情報は誤りであると判断する。
3エンマ大王
InFactはレーティングをエンマ大王で示している。問題のツイートは「誤り」であり、これは3エンマ大王となる。
エンマ大王のレーティングは以下の通り。
- 4エンマ大王 「虚偽」
- 3エンマ大王 「誤り」
- 2エンマ大王 「ミスリード」「不正確」「根拠不明」
- 1エンマ大王 「ほぼ正確」
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