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【Fact Check】「自民党の高鳥修一議員『おなかが痛い生理だ』と発言した」は誤り

【Fact Check】「自民党の高鳥修一議員『おなかが痛い生理だ』と発言した」は誤り

6月13日の衆院本会議でLGBT法案の採決が行われた際、自民党の高鳥修一議員が本会議を退席した。退席理由を聞かれた高鳥議員が「お腹が痛い 生理だ」と発言したとの投稿がツイッター上で拡散したが、これは誤りだ。

対象言説

「お腹が痛い、生理だ」(Twitter、2023年6月13日)

結論

【誤り】

高鳥修一議員がこの一連の経緯で「生理だ」と発言した事実はない。

InFactはレーティングをエンマ大王で示している。
これは3エンマ大王となる。

エンマ大王のレーティングは以下の通り。

  • 4エンマ大王 「虚偽」
  • 3エンマ大王 「誤り」
  • 2エンマ大王 「ミスリード」「不正確」「根拠不明」
  • 1エンマ大王 「ほぼ正確」

InFactはファクト
チェック・イニシアティブ(FIJ)のメディアパートナーに加盟しています。この記事は、InFactのファクトチェック基本方針、およびFIJのレーティング基準に基づいて作成しました。

ファクトチェックの詳細

まず、主要新聞社の記事データベースで、関連の記事を検索して、調べたところ、高鳥議員が「生理だ」と発言したという旨の報道はなかった。(以下参照)

各社報道から作成

また、インターネット上で関連記事を検索したところ、以下の記事・報道があった。

・TBS NEWS DIG「LGBT法案採決の退席は「腹痛のため」自民・高鳥議員 杉田議員は欠席」

この記事でも、「生理だ」という発言はなかった。「腹痛のため」となっており、「生理現象」を理由にしていたと考えられる。これについて高鳥議員事務所に問い合わせを行ったところ、高鳥事務所の勝野淳ー政策秘書から以下の回答があった。

「『生理だがフェイクで、生理現象がファクト』というご指摘は、その通りでございます。ただ、少し申し上げると、『生理だ』と書かれていても誰もが『書き間違いだろう』くらいしか思っておらず、そのいう事例をファクトチェックの素材にするのはどうかと私個人は思います。大事なことは、高鳥議員が「生理現象」だと言ってトイレ退席したのを、本当にお腹が痛くなって退室したかのように報道するマスコミの姿勢です。お腹が痛い訳ないんですから(笑)。党議拘束という「賛成票を投じなければ除名するぞ!」くらいの厳しい圧力が上からかかっている中、賛成票を投じないようにするためには、『お腹が痛い』と言ってトイレを理由にして退室するしかなかったのです。ニュースの表面だけでなく、本質をきちんと読んでくだされればと思います。そういう意味で、『生理』と『生理現象』の違いを指摘しても、皆さん、高鳥議員がお腹が痛くて退室していないことは承知していますから、この研究は何が言いたいんだ??となってしまうかもしれません。」

ファクトチェックは発信された情報の真偽を確認するもので、政治家の政策や対応を評価したり分析するものではない。InFactでは、誤った情報を発信した「ツイッター速報」に「どのような根拠を持って記事を作成したのか」と問い合わせをしているが、7月27日現在、回答はない。

(秋野有咲、城下果)

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