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【FactCheck】「生活保護受給者の医療費無料を終了」は誤り

【FactCheck】「生活保護受給者の医療費無料を終了」は誤り

厚労省が生活保護受給者の医療費無料を終了するという情報がXで拡散されたが、これは誤りだ。

対象言説

【朗報】厚労省「生活保護の医療費無料を終了します。今後は国保に入ってください」
ツイッター速報~Breaking News」2024年5月1日

結論 【誤り】

「生活保護の医療費無料を終了します。」は誤りである。生活保護受給者の医療費は全額扶助されている。また、生活保護受給者は国民健康保険の加入資格をもっていない。

InFactはレーティングをエンマ大王で示している。
これは3エンマ大王となる。

エンマ大王のレーティングは以下の通り。

  • 4エンマ大王 「虚偽」
  • 3エンマ大王 「誤り」
  • 2エンマ大王 「ミスリード」「不正確」「根拠不明」
  • 1エンマ大王 「ほぼ正確」

InFactはファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)のメディアパートナーに加盟しています。この記事は、InFactのファクトチェック基本方針、およびFIJのレーティング基準に基づいて作成しました。

ファクトチェックの詳細

厚生労働省の資料によると、生活保護制度の目的は最低生活の保障と自立の助長であり、生活を営む上で生じる医療サービスの費用は全額扶助される。

このため、生活保護受給者が指定医療機関を受診した際は、本人は費用を負担することなく、医療行為を受けられる(現物給付)。その費用は国が医療機関に支払うことになっている。

Xで言及されている「国保」とは国民健康保険のことと思われる。この「国保」は、日本医師会によると、75歳未満の被用者保険の退職者や無職者、自営業者などが対象になる。以下がそれを表にしたものだ。

日本医師会が作成

この表によると、生活保護受給者は一見国民健康保険に加入できるように思われるが、厚生労働省のホームページによると、生活保護受給者は国民健康保険の加入資格をもたないと書かれている。生活保護受給者に「国保」に入れないとしている以上、厚生労働省が「国保に入ってください」などと呼びかけることは考えにくい。

生活保護受給者の医療費について厚生労働省に電話で問い合わせた。社会・援護局保護課医療係の担当者は、質問に対して以下のように回答した。

質問① 生活保護受給者は医療費無料が終了するのか?

「いえ、(終了)しないです。」

質問② 国民健康保険に入れるのか?

「現状では生活保護受給者は国保に入れません。」

質問③ (重ねて)発信されている発言について事実なのか?

「まずそもそも(生活保護受給者の医療費無料が)終了するということがないので、それに対して私がどうこういうものはないです。」

以上が、厚生労働省の担当者とのやり取りだ。報道によると、国民健康保険の加入資格について検討が進められているということだが、現段階では生活保護受給者は医療費の全額を扶助されている。よって、「生活保護の医療費無料を終了します。今後は国保に入ってください」は誤りだ。

(馬場玲妃)

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