ネットに投稿された場所を探し当てると、そこは長江の河原だった。豚が捨てられていたのは、大きな石がごろごろしている河原と幅20メートルくらいの土手とが接続する辺りらしい。雑草の茂った土手は急にせり上がり、その上には道路が走っている。辺りには道路から勝手に投げ込まれたであろう生ゴミや生活ゴミが散乱していた。豚の死骸はすでに回収され周囲は消毒されていたはずだったが、湿った草からは強烈な匂いが上がり、腐乱した動物がまだ残っているのではないかと思われた。河原の一角で黒い塊がうごめいていた。何かと思って近づくと、大量のハエだった。
住民の話では、今走って来た道路の側溝のような形で流れているドブにもゴミ袋などに入れられた豚の死骸が度々投棄されるという。まさかと思って、探してみると何と、中身の詰まったよう見える飼料用の袋が実際にドブの中に落ちているのを見つけてしまった。大きさは10キロの米袋くらいで、口は紐で縛られている。刃物でその袋の側面を割いてみると、中からは、まだ薄桃色の皮膚と銀色の毛をふさふさと残した子豚の死骸が、強い臭気とともに現れた。
●なぜ豚を捨てるのか