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米国ジャーナリズムの新たな潮流~非営利化する調査報道⑥立岩陽一郎

●大学と非営利ジャーナリズムとの融合

ルイスは、CPIを辞めた後、ハーバード大学でジャーナリズム研究に従事していた。そこで自らが作り出した非営利団体による報道について論文を書いている。その中にルイスのジャーナリズムに対する思いが書かれている。

「報道機関が真面目なジャーナリズムへの関与を減らしていく中で、権力監視を行う市民や社会、そしてそれを実践してきたジャーナリストに大きなマイナスを与えている。
(中略)
我々は社会問題や時事問題について知識武装を欠いたかなりの数のアメリカ人を生み出している。思慮深い市民社会無しに、人民の人民による人民の為とされる民主主義はいつまで持つのだろうか?」

ワシントンDCのアメリカン大学内にあるIRWのオフィス(撮影:立岩陽一郎)
ワシントンDCのアメリカン大学内にあるIRWのオフィス(撮影:立岩陽一郎)

ジャーナリズムの衰退が、米国民主主義に危機的な現状が生じさせていると危惧するルイス。その危機感がルイスを新たな動きに駆り立てる。
研究生活を続けていたルイスに、2007年、首都ワシントンにあるアメリカン大学(American University)から別の角度のアプローチが入る。同大学のコミュニケーション大学院長を務めていたラリー・カークマン(Larry Kirkman)からのもので、それは、大学内に非営利ジャーナリズムを作らないかという提案だった。

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