この「ロナルド・レーガン」の乗組員をめぐっては、その後、癌を発症するなど体調を崩すケースが多発し、現在、東京電力などを相手取った集団訴訟に発展している。朝日新聞の田井中雅人記者とフリージャーナリストのエィミ・ツジモト氏の共著による「漂流するトモダチ」(朝日新聞出版)によると、裁判は2012年に始まり原告は400人以上になっており、そのうち9人が既に死亡しているという。また、裁判で、東京電力は、乗組員の健康被害と原発事故との間に因果関係は無いと主張している。
しかしデータを見ると、かなり高い線量の中で乗組員が作業をしていたことがうかがえる。
「トモダチ作戦」を日米安保条約の象徴として描くことに熱心だったメディアは多い。日米安保体制の役割を強調するメディアもあった。しかし、参加したアメリカ軍兵士の多くが健康被害を受けていることはあまり報じられていない。
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因みに、空母「ロナルド・レーガン」は航空部隊の人員も含めると約6000人が乗り込んでいる。また、外務省の資料によると、「トモダチ作戦」では、アメリカ軍約24500名、艦船24隻、航空機189機が参加し、被災地に食料品など約280トン、水770万リットル、燃料約4.5リットルの配布を行っている。