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《週刊》ネット上の情報検証まとめ(Vol.14/2020.1.8)

《週刊》ネット上の情報検証まとめ(Vol.14/2020.1.8)

インターネット上で話題になった“要注意”情報を、週1回まとめてお届けします。紹介するのは、他のメディアなど第三者が調査・検証したものも含みます。(大船怜ネット上の情報検証まとめ管理人)

(1)「オーストラリアの山火事の画像」

日付
2020/1/5、1/6
発信者
一般ユーザー
媒体
Twitter
拡散数
それぞれ6.3万RT、2000RT
内容
「オーストラリアの山火事」などとするコメントともに2つのツイートで投稿された複数の画像。
引用1

引用2
【検証】無関係のものやCG画像も

BuzzFeedが一部を指摘しているように、この中には今回の山火事とは無関係であるものや、実際の写真ではないCG画像が含まれている。

引用1の投稿の右上と、引用2の投稿の右上、水に浸かり火の手を逃れる家族の写真はどちらも2013年のもの(動画の0:20頃と0:40頃参照)。場所はオーストラリア(タスマニア島)ではあるが、今回の火災とは無関係だ。また引用1右下のコアラに水を与える人物の写真は2009年のものである。

引用2の左上、「NASAが出してる」と説明されている衛星写真のような画像は、既に鎮火したものも含めこれまでに火災が起きた場所を視覚化したCG画像である。左下の顔を覆い座り込む人物の写真は2009年

その他の写真やイラスト(引用1左上・左下、引用2右下)は今回の火災に関連するものであることが確認できた。

なお、今回のオーストラリアの大規模火災については日本の各メディアは継続的に報道しており、コアラなどの野生動物の被害についても伝えられている


(2)「球電現象の映像」

日付
2020/1/4
発信者
一般ユーザー
媒体
Twitter
拡散数
1.8万RT
内容
海外ユーザーの投稿を引用し、「様々なオカルト的現象の多くに関連しているという球電という現象と思われます。」などとした投稿。
引用
アカウント名等モザイク処理は筆者による(以下同様)
【検証】動画はCGの可能性が高い

球電(球雷とも)は大気中に球状の発光体が現れ移動するという珍しい自然現象で、その発生原因には謎が多い。上掲投稿に添付された動画にはこの球電のように見える発光体が映っている。

動画の出典は定かではないが、分かる限りでは2019年5月にYouTubeに投稿されたこの動画が最古だ。タイトルには「CGI(コンピューター生成映像)」の文字があり、また「CGIと書いてあるのはコンピューターグラフィックスだということ?」というロシア語のコメントに動画投稿者本人が「Да, она именно это и обозначает.(はい、その通りです)」と答えている。

このYouTube動画の投稿者がCGを作成したとは必ずしも断定できないが、電気現象であるはずの球電が鉄製の線路をまっすぐに横断するなど動画には不自然な点もあり、実際の映像ではない可能性が高い。


(3)「横田めぐみさんポスターがヘイト条例成立後直ぐに撤去」

日付
2020/1/3
発信者
一般ユーザー
媒体
Twitter
拡散数
1200RT
内容
「川崎市川崎区の競輪場前の壁に貼られていた北朝鮮拉致被害者の横田めぐみさんとそのご家族のポスターが2019年12月12日の川崎市のヘイト条例成立後直ぐに撤去された模様です。」などとする投稿。
引用
【検証】撤去は事実も、劣化による貼り直しのため

「ヘイトスピーチ禁止条例」などと通称される「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」は、2019年12月16日施行・公布された。

BuzzFeedの取材に対し川崎市の担当者はポスターの撤去が12月20日に行われたことを認めたうえで、「条例との関係はございません」と回答。台風15号・19号などによる劣化から、ポスターに携わった住民団体と話し合いのうえ貼り直しを決めたもので、近日中に新しいポスターが貼り出されるという。


(4)「終身刑(仮釈なし)が宣告された瞬間の犯罪者の動画」

日付
2019/12/28
発信者
一般ユーザー
媒体
Twitter
拡散数
2000RT
内容
「終身刑(仮釈なし)が宣告された瞬間の十代の凶悪犯罪者。」などのコメントとともに投稿された海外の複数の裁判の被告らを映した動画。
引用
【検証】終身刑でないものが含まれる

同じ動画は別のアカウントにも転載され、約1.2万RTされている投稿もある。

動画には5つの裁判の様子が編集で繋げられているが、映像の出典や実際の判決内容を全てで確認することはできなかった。しかし、少なくともうち2つの裁判は「終身刑(仮釈なし)」でないことが確認できた。

動画の1人目の被告は殺人および放火の罪を問われ、猶予無しの懲役計15年と猶予付きの懲役15年の刑を言い渡されている。また動画は判決の瞬間ではなく、検察官の主張の場面である。

4人目の被告は誘拐・暴行などの罪で懲役3年の判決。既に出所し、現在はバスケットボール選手としてマイナーリーグのチームに所属している。


(5)「相模原19人殺害事件の犯人の本名は韓英一」

日付
2019/12/28
発信者
一般ユーザー
媒体
Twitter
拡散数
1400RT
内容
「19人殺害 責任能力が争点に 2020年1月5日 なんで『韓英一』と報道しないんですか?」とのコメントとともにYahoo!ニュースの記事をシェアした投稿(現在は削除)。
引用
【検証】根拠とされる記事に本名や国籍の記載なし

詳しくは篠原修司氏の検証記事を参照のこと。投稿者が根拠としていたのは、ダイヤモンド・オンラインの記事をシェアしつつ「本名は韓英一みたいです。在日韓国人だったみたいです」と指摘したツイートだったが、ダイヤモンド・オンラインの記事には「U容疑者」という匿名化された名称のみで、本名や国籍への言及はなかった。

(過去の回をまとめて見たい方はこちらから。次回は、2020年1月15日の予定です)

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