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[新型コロナFactCheck] 「蓮舫議員が『高卒みたいな可哀想な人達が増える』と発言」は誤情報

[新型コロナFactCheck] 「蓮舫議員が『高卒みたいな可哀想な人達が増える』と発言」は誤情報

立憲民主党の蓮舫参議院議員が「このままだと高卒みたいな可哀想な人達が増える」という発言をしたかのような情報がネットで拡散した。議員は発言を謝罪したが、実際の発言を調べると「可哀想な人達」という発言はしていなかった。(立岩陽一郎)

チェック対象
蓮舫「このままだと高卒みたいな可哀想な人達が増える!就職どうなる!」
(まとめサイトに掲載。Twitter=2020年4月30日投稿=で拡散)
結論
【誤り】蓮舫議員の実際の発言は「学校を辞めたら高卒になる。就職どうなるか」というものであって、「高卒みたいな可哀想な人達が増える!」とは言っていない。

検証

これは、まとめサイトが4月29日の参議院予算委員会で立憲民主党の蓮舫議員の発言を取り上げ、「蓮舫『このままだと高卒みたいな可哀想な人達が増える!就職どうなる!』」というタイトルをつけてツイッター上で拡散されたものだ。5月7日時点で7800超えるのいいね!がつき、2600超のリツイートを記録している。

まとめサイトの記事が拡散したTwitter投稿(2020年4月30日)

蓮舫議員は4月30日、自身のツイッターで「私の言葉が過ぎました。本当に申し訳ありません」と謝罪のツイートを、実際の発言が記載された議事録とともに投稿した。それが新聞やNHKを含むテレビで報じられたことから、蓮舫議員が「高卒みたいな可哀想な人達」という“差別発言”をしたことが事実であったように広まっている。

では、実際に蓮舫議員がどう語ったのか。4月29日の参議院予算委員会での時の質疑を見てみた。それは蓮舫議員の、新型コロナウイルスの影響を受けている大学生への支援についての質問から始まり、以下のようになっている。

蓮舫議員: 持続化給付金の対象に学生を入れますか?
安倍総理: 持続化給付金については事業をやっていない人に対しては対象にならないが、学生の皆さんに対しては、今年から高等教育の無償化がスタートします。給付型の奨学金がスタートする。これは、家賃や生活費も出るわけです。この新型コロナ感染症への対応に於いても、その(新型コロナによる)変化によって対象になる方は、そういう給付を行うことになっていますので、言わば、生活費についても給付がなされるということですので、これを是非活用して頂きたい。
蓮舫議員: 貸与型奨学金はローンです。給付型(奨学金)も要件狭いです。バイトだけで生活している学生がバイトを切られて家賃が払えなくて、奨学金負担が有って、そして帰省するなと言われて、家も無くなるかもしれない不安で、このままだと大学を辞めなければいけないという人が13人に1人で、フリーランス等の枠に学生を入れてあげればよいじゃないですか。そのスキームの中に入れて、この子は生活もなりたたない。学校を辞めたら高卒になる。就職どうなるか。奨学金が返せない、その不安の声にどうして応えられないのか?
ー2020年4月29日参議院予算委員会、参議院インターネット審議中継で確認

この質疑を見ればわかるが、蓮舫議員が語った発言は「この子は生活もなりたたない。学校を辞めたら高卒になる。就職どうなるか。奨学金が返せない、その不安の声にどうして応えられないのか?」というものであって、「高卒みたいな可哀想な人達が増える!」とは言っていない。

また、大卒と高卒が就職において異なる採用になることは、その是非はともかく一般的に認識されていることだ。その状況や不安を訴える学生の声を紹介した発言をもって、高卒を差別した発言と指摘するのには無理がある。

結論

蓮舫議員が語った発言は「この子は生活もなりたたない。学校を辞めたら高卒になる。就職どうなるか。奨学金が返せないその不安の声にどうして応えられないのか?」というものであって、「高卒みたいな可哀想な人達が増える!」とは言っていない。よって、対象言説は誤りだ。

※この記事の調査には、FIJのリサーチャーである丹羽智佳子氏が協力した。

(冒頭写真は、4月29日参議院予算委員会で質疑に立つ蓮舫議員。NHKの国会中継を筆者撮影)

INFACTはファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)のメディアパートナーに加盟しています。この記事は、INFACTのファクトチェック基本方針、およびFIJのレーティング基準に基づいて作成しました。FIJ編集委員会でガイドラインを満たすと判断されると、こちらのページにも掲載されます
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