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「現地報告:中国共産党腐敗官僚の実態①」   宮崎紀秀

午前8時40分過ぎ。短くサイレンを鳴らした警察車両が突然、裁判所の角に現れた。私は周囲にいた数人のカメラマンと猛ダッシュをかけるが、時すでに遅し。車は裁判所の裏口に回り込んでしまい誰も追いつくことはできなかった。切れ切れの息で地団駄を踏む私たちを見て、警備員が「撮れなかったのか?」と薄ら笑いを浮かべた。

雷元書記は我々メディアの前に姿を現すことはなく、裏口から法廷に入ってしまった。しかし、彼の姿はほどなく全中国国民に曝されることとなる。国営の中国中央テレビなどが、法廷内の様子を報じたからだ。

雷元書記の姿を撮影できず唖然とするカメラマン(2013年6月19日)
雷元書記の姿を撮影できず唖然とするカメラマン(2013年6月19日)

雷元書記は300万元(約5100万円)以上の収賄の罪で、懲役13年の判決を受けた。頭一つ大きい司法警察官2人に挟まれ、肩を落として被告人席に立っ雷元書記は、好色で貪欲な腐敗官僚として国民に記憶されることになった。

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