【解説】玉城候補の発言への批判について
公明党の遠山清彦議員は、玉城氏がFacebook投稿で「実績」をアピールしたことについて、9月15日、ツイッターで「ゆくさー(うそ)」と批判した。
その批判の主たる根拠は、一括交付金制度の創設方針が閣議決定された後、与野党修正協議における実質交渉メンバーに入っていなかったことであった。
しかし、玉城氏は、もともとフェイスブック投稿で「2010年から2011年にかけて、反対意見多勢の内閣府沖縄振興担当とケンケン轟々の議論の末に勝ち取った」と述べており、2011年末で創設の政府方針が決まるまでの自身の関与を強調していた。
そして、上記の検証のとおり、玉城氏が一括交付金制度創設に向けて政府与党に直談判していたこと自体は「事実」であった。
遠山議員がこうした「事実」を無視して、もっぱら2012年3月の与野党PT交渉メンバーに入っていなかったことをもって、玉城氏の主張を「うそ」と決め付けたのは、行き過ぎであろう。詳しい経緯の知らない読者を、玉城氏が一括交付金「創設」に向けて「直談判」を含む関与をしていなかったかのようにミスリードしようとしたとの疑いも残る。
【資料】事実関係の時系列整理
・2011年6月1日
衆議院の沖縄及び北方問題に関する特別委員会で、玉城議員が沖縄の一括交付金の創設を要請。この後、遠山議員も同じく要請。
・2011年7月8日
玉城氏を含む民主党沖縄協議会のメンバーが首相官邸で沖縄振興一括交付金の創設を要請。
・2011年8月31日
玉城氏らが枝野幸男・前沖縄担当相に沖縄振興に関する県の要望実現を要請(9月1日付沖縄タイムス)。
・2011年12月24日
平成24年度予算案で、沖縄振興一括交付金の創設を閣議決定。
・2012年2月10日
沖縄振興一括交付金を盛り込んだ「沖縄振興特別措置法の一部を改正する法案」を閣議決定。
・2012年3月9日
沖縄関連2法案の修正協議を行うための与野党PTを設置し、玉城議員と遠山議員も入る。交渉委員には玉城議員は加わっていなかった。
・2012年3月23日
与野党修正合意を経て、衆議院本会議で可決・参議院に送付。
・2012年3月30日
参議院で可決、成立
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