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【コロナの時代】ワクチンのファクト①圧倒的に若い女性に多い重篤な副反応

【コロナの時代】ワクチンのファクト①圧倒的に若い女性に多い重篤な副反応

日本では今年2月から新型コロナワクチンの接種が始まったが、8月23日時点で、少なくとも1回以上ワクチンを接種した人の数は6653万4506人となり、全人口の52.3%となった。ワクチン接種には副反応のリスクが存在するが、政府は、「症状の大部分は、接種の翌日をピークに発現することが多いですが、数日以内に回復していきます」等と、重篤な副反応の発生リスクは少ないことを強調する。確かに件数は少ない。しかしワクチン接種後、「重篤」な副反応を経験する人がいることは事実であり、軽視されるべきではない。InFactでは、この重篤な「副反応疑い」事例についてその詳細を調べた。その結果、重篤な副反応は、若い女性に圧倒的に多く発生していることが明らかとなった。(田島輔)

医師が「関連有り」と判断した重篤事例の件数は?

厚生労働省が8月25日に発表した資料を確認したところ、2021年8月8日時点で、ファイザー社製新型コロナワクチンは、9065万1661回接種されている。InFactではこの資料を分析した。

この9065万1661回の接種のうち、接種後に「重篤」な副反応疑いが生じたのは3689件で全体の0.004%だ。けして高い確率ではない。このパーセンテージは常に頭に入れておいて欲しい。また、この全てでワクチン接種が原因とされているわけではない。詳しく見ていこう。

この3689件のうち、医師がワクチン接種と症状との間に「因果関係あり」と判断したものは1741件だ。0.002%に満たない。別の書き方をすると、「19.21件/100万回接種」、100万回接種したうち20件に満たない比率ということだ。

若い世代に副反応が多数発生

先ず、年代別での発生件数を整理する。1741件の内、7割近くの1152件の重篤事例が、20代から50代で発生していた。
政府も、副反応の発生について「若い方の方が、高齢の方より頻度が高い傾向にあるようです」と認めており、この点は重篤な副反応でも変わらないようだ。


最年少では、13歳の女性にアナフィラキシーが発生し、「重篤」と判断されている事例があった。後述するが、この女性は後に「軽快」となっている。

重篤な「副反応」の多くが女性に発生

次に性別に分けて細かく見てみたい。1741名の性別内訳は、女性が1398名、男性が338名、性別不明5名となっており、実に重篤事例の80%以上が女性に発生していた。

なお、内閣官房による発表によれば、8月26日現在、新型コロナワクチンの男女別接種回数は、男性4861万5652回・女性5690万5919回であり、接種回数の男女比は「男性約46%:女性約54%」となっている。これは医療従事者を除いており、全てのワクチンメーカーを含むため、このデータと重なるわけではない。ファイザー社製のワクチンに限定した男女別の接種回数は不明であるものの、全てのワクチンメーカーを含めた接種回数の男女比と大きな差はないと推測される。


そのため、女性の接種回数が男性よりも多少は多いとしても、依然として圧倒的に多くの重篤な副反応が女性に発生する傾向にあると言えるだろう。

全ての年代で女性に多数の重篤事例が発生

その女性の状況を年代、男性との比較で更に細かく見たい。全ての年代において重篤事例は女性に多数発生している。特に、40代ではその差にかなりの開きが有ることがわかる。

以下の円グラフのとおり、全ての年代で、60%以上の重篤事例が女性に発生していた。
特に、20代から50代及び100歳以上では、80%以上の重篤事例が女性に発生しているという結果になった。

「関連あり」かつ「重篤」事例では全快したのは半数以下

次に、医師が、重篤な副反応疑いと新型コロナワクチン接種との間に「関連あり」と判断した事例について、回復状況を整理した。
「回復」と判断されているのは、1741件の内、674件と半数以下だ。
「軽快」・「後遺症あり」・「未回復」等、何らかの治療を継続していると思われる人達が多数存在するという状況だ。

ワクチン接種から72日後に副反応が発生する場合も

ワクチン接種から副反応発生までの日数については、1741件のうち、1656件が1週間以内に発生していた。 そのため、ほとんどの事例で、重篤な副反応が発生するのは1週間以内であると言える。

しかし、中にはワクチン接種から20日以上経過して副反応疑いが発生している事例も存在した。最長はワクチン接種から72日後に血管炎等が発生した事例だ。
ワクチン接種から2か月以上経過して発生した事例であっても、医師の観点では、必ずしも因果関係が否定されるというわけではないということだ。

ワクチン接種から20日以上経過してから発生した具体的な副反応の症状は以下の表のとおりだ。

新型コロナワクチンの副反応として有名なのはアナフィラキシーだが、上記のとおり、新型コロナワクチンの副反応には様々な症状があるようだ。

政府が、新型コロナワクチンの副反応として明確に認めているのは、接種部位の痛み・疲労・頭痛・筋肉や関節の痛み等やアナフィラキシーだ(参考)。
しかし、実際には様々な副反応疑い事例が発生し、少なくとも医師が因果関係を認めた事例は存在する。

なお、このデータでは、性別不明者が10代・30代・60代・70代に各1名がいる他、年代の不明な者が1名存在している点は記しておく。

次回は、新型コロナワクチンによって発生した、具体的な重篤症状を検討する。

(「ワクチンのファクト②」につづく  この記事の取材にはInFactの藤華子が参加している)

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