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【コロナの時代】ワクチンのファクト②「アナフィラキシー」以外にも様々な重篤事例の報告 

【コロナの時代】ワクチンのファクト②「アナフィラキシー」以外にも様々な重篤事例の報告 

前回の記事では、コロナワクチン接種後の重篤な副反応が、若い女性に多く発生していることを明らかにした。
では、具体的にどのような重篤な副反応が発生しているのだろうか。前回と同様、重篤な「副反応疑い」事例の中で、医師がワクチン接種との間に「関連あり」と判断した重篤事例についてその内容を調べた。その結果
頻繁に報じられている「アナフィラキシー」以外にも、ワクチン接種後に様々な副反応が発生し、医師によって「関連あり」と判断されていることがわかった(田島輔)

最初にことわっておきたいのは、この記事はワクチンの危険性を声高に叫ぶものではない。前回伝えた通り、この調査の対象となった8月8日段階での総接種数に占める「重篤」な副反応でワクチンとの関連が認められたケースは0.002%に満たない。100万回接種したうちで20件に満たない比率ということだ。それを踏まえた上で、重篤なケースを細かく見るという趣旨だと理解頂きたい。

厚生省が報告義務を課す具体的症状は「アナフィラキシー」と「血栓症」だけ

医師が「関連あり」と判断した重篤症例を見る前提として、厚生省が新型コロナワクチンについて、どのような副反応が発生する可能性があると認識しているのか確認しておこう。

予防接種法上、ワクチンを接種した人が厚生労働省の定める一定の症状を呈した場合、医師には「副反応疑い」の報告義務が課されている(参考)。

そして、新型コロナワクチンについて、厚生労働省が「副反応疑い」の報告義務を課している具体的症状は、8月30日現在、アナフィラキシーと血栓症だけだ(参考)。この血栓症には、血栓塞栓症を含むが、血小板減少症を伴うものに限るとされる。

なお、アナフィラキシーとは、薬が身体にはいってから短期間で起こるアレルギー反応のことで、じんま疹などの皮膚症状、腹痛や嘔吐などの消化器症状、息苦しさなどの呼吸器症状を起こすものだ。また、厚生労働省は、血栓症について、アストラゼネカ社のワクチンで稀に生じる症例として、「血小板の減少とともに、様々な静脈や動脈に血栓ができてしまう病気」、「脳の静脈やお腹の中の静脈などにも生じ、脳静脈洞の血栓症を起こした方では、脳出血も同時に起きやすくなることが報告されています」と説明している。

他に予防接種法に基づく報告義務が課されていないが、新型コロナワクチンについて幅広く評価を行う必要性から、以下の症例について、積極的に症状の報告を行うよう推奨されている(参考)。

「けいれん」、「ギラン・バレ症候群」、「急性散在性脳髄炎(ADEM)」、「血小板減少性紫斑病」、「血管炎」、「無菌性髄膜炎」、「脳炎・脳症」、「脊髄炎」、「関節炎」、「心筋炎」、「顔面神経麻痺」、「血管迷走神経反射(失神を伴うもの)」

重篤な「アナフィラキシー」が764人と最多

そこで、上述の症例のうち、医師がワクチン接種と因果関係ありと判断した重篤事例をまとめたところ、以下のとおりとなった。

医師が「関連あり」かつ「重篤」と判断した事例はアナフィラキシーが764人と最多であった。
血栓症については、21人で「関連あり」かつ「重篤」と判断されていた(報告義務が課されている血小板減少症を伴うものであるかどうかは不明)。

報告が推奨されている症状では、「けいれん」が48人で最多であった。血管迷走神経反射については、「失神を伴うもの」の報告が推奨されているが、「関連あり」かつ「重篤」と判断された事例の中には「失神を伴うもの」はなく、「失神寸前の状態」の血管迷走神経反射が35件報告されていた。

「アナフィラキシー」以外の症状でも女性に多数の重篤事例が

次に、具体的な重篤症例について男女別の内訳をみてみよう。アナフィラキシーで2名、けいれんと血栓症関連で各1名が性別不明であったことは断っておく。


新型コロナワクチンでは、女性にアナフィラキシーの副反応が出やすいことが知られているが、他の症状に関する状況はどうだろうか。


以下が、医師が「関連あり」と判断した重篤症例についての男女別の人数の内訳だ。

前回で性別で副反応が圧倒的に若い女性に出ていることを示しているが、多くの症状で女性の割合が多いことがあらためて示された。この点については、女性ホルモンの働きにより、女性がもともと男性よりも免疫反応が強い傾向にあることが、女性に強い副反応が生じている原因の一つであるようだ

その一方で、心筋炎では圧倒的に男性が多く、血管炎では男女の比率が同じだったこともわかった。

その他の症例も「関連あり」として複数発生

厚生労働省が報告義務を課している又は報告を推奨している具体的症例についての整理は以上のとおりだ。前述のとおり、アストラゼネカ社のワクチンについては脳出血がまれに発生する可能性が指摘されているが、ファイザー社のワクチンにおいても、血栓症との関連は不明だが、11例の脳出血が医師によって「関連あり」と判断されていた。

ワクチン接種後には様々な副反応疑いが報告されていることがわかる。

これらのそれぞれの症状を男女の比率で観てみる。帯状疱疹以外はやはり女性に重篤な副反応が発生する割合が高い結果となった。

以上のとおり、新型コロナワクチン接種後には、アナフィラキシーなどメディアで報じられているもの以外にも様々な副反応が発生していることがわかった。


前回の記事で重篤な副反応を経験した人のうち半数以上が全快していないことを明らかにしたが、次回はこの点について更に掘り下げる。重ねて書くが、この「ワクチンのファクト」のシリーズはワクチンの危険性を声高に叫ぶものではない。極めて低い確率で起きている事例ではあるものの、私たちが知っておいた方が良い事実を示すものと理解して頂きたい。

(「ワクチンのファクト③」につづく  この記事の取材にはInFactの藤華子が参加している)

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