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「歯が抜ける村」中国レアアース汚染の実態 ◇内モンゴル自治区現地報告 宮崎紀秀

レアアース湖岸の土は層のようになっていた (2013年5月22日)
レアアース湖岸の土は層のようになっていた
(2013年5月22日)

湖底が干上がってできた湖岸だった。草木が全くない。まるで火星のような荒涼とした地表だった。強い日差しと風にさらされながら、さらに15分ほど歩き続けるとやっと湖にたどり着く。濃紺の水をたたえた湖。ドブ河のような悪臭。油のような匂いもする。若干の刺激臭も感じる。

濃レアアース湖岸の土。指でつまむとサクっと剥がれる(2013年5月22日)
濃レアアース湖岸の土。指でつまむとサクっと剥がれる(2013年5月22日)

この湖は、包頭のレアアース関連工場が、およそ半世紀にわたり廃水や廃棄物を垂れ流してきたところだ。垂れ流された「ゴミ」は水中に沈んでいるだけではない。乾いた物質は風が吹けば細かい粒子となって舞っていく。つまり、周辺に飛び散っているのだ。

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