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「歯が抜ける村」中国レアアース汚染の実態 ◇内モンゴル自治区現地報告 宮崎紀秀

「羊がここの草を食べて1年くらい経つと、歯が黒くなってそれ以上飼うことができなくなる。歯が黒くなって餌を食べることができなくなるから死んでしまう」

歯が抜けたと訴える打拉亥村の男性 (2013年5月23日)
歯が抜けたと訴える打拉亥村の男性
(2013年5月23日)

歯の異常以外に、腰が痛い、足が痛いという人も多いと住民は訴える。ある女性は「歯が崩れたり、骨が緩んだりする」という表現をした。その他にも、脳梗塞や癌を患う者も多いという。

衝撃を受けたのは、70歳の王某さんに会った時だった。顔の右半分が、ぐちゃっと表現して良いほど変形していたのだ。歯茎や目の下の骨を切除したという。妻によれば、癌が転移したものらしい。王さんは、その病気の原因は、水にあると思っている。

「(水に含まれる成分については)知らない。レアアースを洗っていた。ダムの中にレアアースがいっぱい蓄積されている」

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