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【日本学術会議問題】菅首相会見(10月5日)

【日本学術会議問題】菅首相会見(10月5日)

菅義偉首相が日本学術会議の会員6名の任命を拒否した問題で、菅首相は10月5日の内閣記者会インタビューで、日本学術会議からの推薦者をそのまま任命してきた前例を踏襲していいのか考えてきた、と今回の任命に至った経緯について説明した。(インファクト編集部)

(注)会見録一覧はこちら。記者会見は公開情報ですので、転載等は自由です。首相官邸サイトの動画などで発言内容を確認し、日本学術会議関連の発言は全て抽出するようにしています。途中で別の内容で質疑応答があった箇所は横ラインを入れています。聞き取りにくい部分などは●●としています。必要に応じて正確を期すための修正を行います。

菅義偉首相 内閣記者会インタビュー(10月5日)

(記者)
北海道新聞のサトウです。今日はよろしくお願いします。

(首相)
よろしくどうぞお願いします。

(記者)
日本学術会議が推薦した会員候補6人の任命を拒否した理由は何でしょうか。
政府は人事の話として説明を拒んでいますが、任命拒否は過去にない対応で、学問の自由の侵害との指摘がありますが、どうお考えでしょうか。
また、6人が政府提出法案に反対との立場だったことが理由なのでしょうか。
政府は1983年時点で、学術会議の推薦を受けて形式的、形式的に任命するとの立場でしたが、これをいつ変更したのか、その変更に問題ないのか、お尋ねします。

(首相)
これまでも官房長官から会見で説明していますように、日本学術会議については法に基づいて、内閣法制局にも確認の上で、学術会議の推薦者の中から総理大臣として任命しているもので、個別の人事に関するコメントは控えたいと思います。
まずその上で申し上げれば、日本学術会議は政府機関であり、年間約10億円の予算を使って活動していること、また任命される会員は公務員の立場になること、また会員の人選は推薦委員会などの仕組みはあるものの、現在は事実上、現在の会員が後任を指名することも可能な仕組みになっていること、こうしたことを考えて、推薦された方をそのまま任命してきた前例を踏襲してよいのか考えてきました。
日本学術会議については、省庁改編の際にその必要性も含めてそのあり方も含めて、相当のこれ議論が行われ、その結果として、総合的俯瞰的な活動を認めることになりました。
まさに総合的俯瞰的な活動を確保する観点から、今回の任命についても判断させていただきました。
こうしたことを今後も丁寧に説明していきたい、このように思います。
またなお、過去の国会答弁、これ承知しておりますが、そもそも当時の学会の推薦に基づく方式から現在は個々の会員の指名に基づく方式に変わっており、それぞれの時代の制度の中で法律に基づいて任命を行っているという考え方は変わっていません。


(記者)
えー、日本学術会議の●●、ちょっと改めて聞きたいんですけれど、先ほどお答えいただいたんですけれど、とはいえ、独立の機関であって研究者の中には学問の自由の侵害ではないかという、えー、指摘があります。
これに対してのお考えとですね、あと、この6人の方の政府提出法案に対する立場というのは今回のことと関係ないということでいいのか、あとこの人事は総理に持ち込まれた案の段階ではもうすでに6人は任命しないということだったんでしょうか。

(首相)
あのー、今申し上げた学問の自由とは全く関係ないということです。
それはどう考えてもそうじゃないでしょうか。
それと先ほど私が申し上げましたけども、まず国の予算が10億円あるということです。
また任命される会員は公務員の立場にあります。
そうした中で、その人選、推薦委員会という仕組みはあるものの、現状では、現在の会員が自分の後任を指名すること、このことも可能な状況になっているということなんです。
そういう中で、推薦された方々をそのまま任命する、この責任というのは内閣総理大臣にあるわけでありますから、そこについて前例を踏襲してよいのか、これは考えてきました。
そして先ほど申し上げましたように、この日本学術会議というのは省庁再編の中では大議論が行われたところです。
その結果として総合的俯瞰的な活動を求めるってことになってますから、ですから総合的俯瞰的に活動を確保する観点から、今回の任命について判断をしたということです。
いま6人の方、あー、についていろんなことになりました、そういったことは一切関係ありません。
まさに、総合的俯瞰的活動を確保する観点から判断したと、これに尽きます。

(記者)
法案は全く関係ないと…

(首相)
あー全く関係ありません。


2020年10月5日、ジャーナリスト畠山理仁氏の録音より。冒頭写真は首相官邸の10月9日撮影より。インタビューの時のものではない)

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