インターネット上で話題になった“要注意”情報を、週1回まとめてお届けします。紹介するのは、他のメディアなど第三者が調査・検証したものも含みます。（大船怜＝ネット上の情報検証まとめ管理人）

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(1)「トランプ大統領 退役軍人支援で542万ドル寄付」

【検証】個人での寄付は100万ドル 控除で所得税不要は根拠無し

大統領就任前の15年間所得税をほとんど納めていなかったと報道されたトランプ氏について、その理由を寄付控除のためとするこの投稿は、スクリーンショットの形でTwitterでも広く拡散された。

「560万ドルを寄付」とは、2016年当時大統領選挙に臨んでいたトランプ氏が、自身の設立した財団を通じて取り集めた退役軍人支援の基金を指すと思われる。しかし、このうちトランプ氏本人による寄付額は100万ドルで、「542万ドル」は誤り（参照）。また、たとえトランプ氏が個人でどれだけの寄付を行ったとしても、税制上所得から控除される金額には上限があるため、「所得税を払わなくてよくなった」ということは起こり得ない。

さらに言えば、オバマ政権下で退役軍人に対する支援策は行われており、「虐げられ不遇な目に合った」とする根拠も不明である。

詳細はインファクト別稿の検証記事を参照。

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(2)「メキシコ系家族の誕生日パーティーを襲撃するBLM」

【検証】BLM運動とは無関係の近隣トラブル

動画では、屋外で机を並べパーティーをしている人たちに2人の黒人女性が片付けるよう言い、さらに机を持ち上げて料理を地面に落としたり、椅子を投げ飛ばしたりする様子が映されている。

アメリカのファクトチェックサイトLead Storiesは、この時子供の誕生日パーティーをしていた母親本人に取材。それによれば、この騒動は黒人差別への抗議運動「ブラック・ライブズ・マター（BLM）」とは全く無関係で、黒人女性たちは自分の家の近くにテーブルを置かれたことや騒音に対し怒っていたのだという。

この動画は元々被害者家族への補償を求めるクラウドファンディングサイトを通じて公開されたもの（削除済み）だが、そこでも騒動の経緯は同様に説明されていて、BLM運動に対する言及は無い。詳細はアメリカのファクトチェックサイトTruth or Fiction?による検証記事を参照。

なお、パーティーをしていた家族はヒスパニック系（メキシコ系かは不明）であり、母親は地元警察が黒人女性たちの行為を証拠不十分として事件化せず注意だけに留めたことを「一種の人種差別」と批判している（参考）。

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(3)「北海道の中国人技能実習生は一万人以上 占冠村人口の3割以上が中国人」

【検証】道の中国人実習生は約3400人 占冠村の中国人は約3%か

「中国人技能実習生は一万人以上」は文脈上北海道における人数を指すと考えられるが、2019年の道内の外国人技能実習生は全体で約11000人、中国人はうち3400人余りである（参考）。

また、占冠村の「人口の3割以上」というのも外国人全てを合わせた割合であって、中国人だけでは総人口の約3%と推定される（参考1、2）。

小野寺氏は28日になって、上掲の投稿内容の「中国人」とした部分を外国人に訂正する投稿をしている。

詳細はインファクト別稿の検証記事を参照。

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(4)「『ハリーポッター』俳優の筋肉（画像）」

【検証】別人のボディービルダー

これらの画像では、あたかもそれぞれの左右の写真が同一人物であるかのように並べられているが、ほとんどは別人であることが確認できる。

投稿画像1枚目の左上、右上、右下、そして画像2枚目は、いずれも出演俳優とは別人のボディービルダー。1枚目左下のハリー・ポッター役ダニエル・ラドクリフさんと並べられている人物のみ誰なのか確認できなかったが、同様に別人を並べた「ネタ画像」の可能性が高いだろう。

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その他

FIJ（ファクトチェック・イニシアティブ）では新型コロナウイルスに関する情報の検証結果などをまとめた特設サイトを開設。国内外の真偽に疑義のある情報を紹介し、随時更新している。

また過去のまとめでも、新型コロナウイルス関連の様々な誤情報についても検証を紹介している。

 

（過去の回をまとめて見たい方はこちらから。次回は、2020年11月4日の予定です）

 

※この記事の調査には、インファクトの西村晴子および、FIJのリサーチャーである佐藤翠氏・日高大氏が協力した。