ファクトチェック【Fact Check】「安全基準を満たしている処理水」の「安全」は十分に開示されているのか「安全基準を満たした上で、放出する総量も管理して処分するので、環境や人体への影響は考えられません」などと説明するのは「ALPS処理水って何?本当に安全なの?」と題した経済産業省のサイトだ。東京電力福島第一原子力発電所から出る「処理水」の海洋放出が始まり、政府は上記のように「安全」を強調するが、中国は日本の海産物の輸入を...
国際【イランと(北)朝鮮③】72時間以内の国外退去1990年代、私はNHKの記者としてイランで取材をしていた。そこで私は多くの事を学んだが、最も重要な学びは、どのような国でも人々の考えは多様で、けして一枚岩ではないということだった。以来、私が国際情勢を見る際の重要な指針となっている。(文/写真:立岩陽一郎) カルバスチの逮捕 私の不安は的中した。自らをハタミ大統領の強...
アジア情勢【イランと(北)朝鮮】英語の挨拶に応じたイランの新大統領2022年2月24日から日本でもウクライナ情勢について報じられない日は無い。それらの報道の多くはロシアを悪、ウクライナを善として描く。勿論、他国に武力で侵攻したロシアが善とは言えないが、国際情勢というものは必ずしも善と悪という二項対立では語れない。例えば、悪として描かれる国としてイラン・イスラム共和国と朝鮮民主主義人民...
アジア情勢【イランと(北)朝鮮②】 保守派VS大統領前回、イランにハタミ大統領が誕生した時の話を書いた。後に「文明の対話」というコンセプトを掲げる大統領は、その就任式で私の英語での問いかけに応じた。そのニュースは「イランに新たな風が吹いた」として世界を駆け巡ったが、同時に、私を普通の特派員とは異なる位置に置いた。イラン政府にその名を知られるようになったのだ。当然それによ...
ファクトチェック【FactCheck】ノーベル賞の本庶教授が「新型コロナは中国で人的に造られた」と発言したとする誤った情報が再び拡散 誤った記事を掲載した新聞は訂正の方針ノーベル賞を受賞した京都大学の本庶佑教授が、新型コロナは中国・武漢の研究所で人為的に造られたなどと語ったとされる誤った情報が世界で流れたのは2020年。既に本庶教授、京都大学が否定しているが、そのフェイクニュースが再び拡散している。(立岩陽一郎) チェック対象 本庶佑教授が「新型コロナは中国の武漢の研究所で人為的に造ら...
ファクトチェック【総選挙FactCheck】岸田首相「辺野古移設が唯一の解決策」はミスリード 日米の軍事専門家からも異論岸⽥文雄⾸相は懸案となっている米軍普天間基地の返還について「辺野古移設が唯一の解決策」と語った。しかし、これには日米の軍事専門家からも異論が出ておりミスリードだ。(古賀友香・⽥中真帆・立岩陽一郎/写真は米海兵隊の資料) チェック対象 「⽇⽶同盟の抑⽌⼒の維持と、普天間の危険性の除去を考え合せた時、辺野古移設が唯⼀の解決...
ジャーナリズム立憲民主党から政治資金を受け取っていたChoose Life Project 何が問われているのかChoose Life Projectが立憲民主党から資金援助を受けていた問題。何が問われているのか。現時点で判明している事実から、その点を整理する。最初にことわっておくが、このメディアはInFactにとって仲間とも言える存在で、これまで共同で番組を制作している。それだけに厳しく見ていく必要が有る。これは現時点での中間...
政治【立憲はなぜ負けたのか③】農村部の選挙区で敗れた候補から出た「立憲は連合の政党なのか?」立憲民主党(以後、立憲)は泉健太代表による新執行部での体制が始まった。しかし先の選挙での敗戦を総括しないと再生は難しい。その際に避けて通れないのは、保守的な有権者が多い農村部での選挙対策だ。和歌山で敗れた候補者は、「立憲は連合の政党なのか?」と選挙戦を通じて感じてきた疑問を口にした。(立岩陽一郎) 農村地帯からなる和歌...
ジャーナリズム読売新聞と大阪府との包括協定 会見の詳細 読売新聞が大阪府と包括協定を結んだ。会見で新聞の行政監視機能について問われた読売新聞の柴田社長は、自社の記者規範を出して懸念は無いとした。この会見の詳細をを記す。InFactは論陣を張るメディアではないが、ルポとして許容される範囲で最後に一言だけ私見を入れた。(立岩陽一郎) 大阪府庁での記者会見 会見に取材で行くのは何...
政治【立憲民主はなぜ負けたのか②】 大阪で敗れた候補者「与野党1対1の構図を作らないと勝てない」立憲民主党の代表選は11月30日と決まった。次の代表が誰になろうとも、今回の選挙の総括は不可避だろう。この連載では苦杯を喫した候補者への取材から、なぜ立憲民主党が負けたのかを掘り下げていく。今回は日本維新の会が圧勝した大阪で戦い、そして敗れた尾辻かな子さんに話をきいた。尾辻さんも野党共闘の方向性は間違っていないと話した...